focuslightsの満たされない日々

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コロナ検査のプール方式って正確なの?

TokyoMXのNews TOKYO FLAGを見ていたところ、世田谷区がコロナ検査のプール方式を開始するとの報道がありました。
以前のニュースでプール方式を報じていたのがこちら。
s.mxtv.jp

東京都内では新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。こうした中、東京・世田谷区は独自の方法で感染症対策に乗り出そうとしています。「世田谷モデル」と名付けた計画について、世田谷区の保坂展人区長がTOKYO MXの単独インタビューに応じました。保坂区長は「『いつでも・どこでも・何度でも』を最終的には目指していく」という独自の構想について語りました。

世田谷のプール方式では、4人の鼻水を混ぜて検査して、Mixした鼻水で陽性がでたら、今度は一人ずつ検査するという方法。

これだと、例えば、12人にうち1人が陽性だったとして、通常のやり方なら12人分=12回検査しなければいけなかったのが・・・
世田谷方式では、まずプールしたサンプル:12人/4=3回の検査を行い、陽性がでたプールを改めて4回検査するということで、合わせて7回の検査で済むとのこと。

厚労省はこういったMix検体の検査を認めていないとのことで、世田谷区は東京都の補助金を用いて検査を行うとのこと。

TOKYO MXは世田谷方式が速く広がって欲しいですね。と締めくくっていましたが・・・
プール方式って良いことばかりでしょうか?



確かに、全体の陽性率が低い場合(~1%)は、理論上Mix検査で総検査数を減らすことができます。
が、これが、陽性者が12人中2人になると、3+8=11回の検査が必要ということで、個々に12回検査した時とほとんど変わりません。
3つのMix検体それぞれに陽性者が含まれていた場合、3+12=15回となり、Mix検査のほうが必要な検査数は増加します

一方、検体をmixするということは、個々人の検体は1/4になり、感度が低下します
また、mixをすることにより、検体の調整ミスによるコンタミネーション(汚染)や、検体の取り扱い間違いによって、個別検体にさかのぼれないなど、様々な検査不備につながります
また、最初に混合検体で陽性が出た後に、個別検体の検査(デコンボリューション)をするという二段階のステップを踏むため、陽性者の検査結果がでるまで2倍の時間がかかります(mix内に陽性者がいると、他のサンプルが陰性と確認するのにも2倍の時間がかかる)。

昔、研究所で動物実験をしていた時は、10mixや100mixのサンプルでスクリーニングをすることがありました。
それはあくまで、①陽性率が極めて低い場合&②多少の見逃しが生じても、速度を優先することが求められるような場合でした。
ヒトの検体。それもコロナのように生命や人生にかかわるような検査にmix検体なんてあり得るのでしょうか。

厚労省はMix検体を認めていないとのことですが、コロナの検査に関しては納得のいくものだと思います。

Mix検体の利点ばかり報道して、デメリットに一切触れないTOKYO MXの姿勢に疑問を覚えたfocuslightsでした。