focuslightsの満たされない日々

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日本には尊厳死の権利はないの?

ALS患者さんにバルビツール参系鎮静薬を投与して、安楽死させた事件が話題になっています。

医療関係者は、「安楽死議論と結びつけるべきでない。」と問題の本質から目を背けようとしています。
mainichi.jp

ALS嘱託殺人 「安楽死論議と結びつけるべきではない 安藤泰至・鳥取大医学部准教授
全身の筋肉が動かなくなっていく難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者だった女性(51)に薬物を投与して死なせたとして、嘱託殺人の疑いで医師2人が京都府警に逮捕された。一部政治家などからは、安楽死尊厳死の法整備論議を求める声も出ているが、生命倫理や死生学を専門とする安藤泰至・鳥取大医学部准教授(59)は、「治療を担当してもいない患者を殺すのは、安楽死ではない」と述べ、今回の事件を安楽死の是非についての議論に結びつけることに懸念を示す。【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】

www.yomiuri.co.jp

難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に頼まれ、薬物を投与して殺害したとして医師2人が京都府警に逮捕された事件で、2人が投与したのは海外の自殺ほう助団体で使われる睡眠薬だったことが捜査関係者への取材でわかった。

日本では安楽死は認められていません。
東海大医学部付属病院で起きた事件の横浜地裁判決(1995年)で、例外的に認められる4要件が示されています。
〈1〉耐えがたい肉体的苦痛
〈2〉死期が迫っている
〈3〉肉体的苦痛を除去する他の方法がない
〈4〉患者の明らかな意思表示――。
京都府警は、女性の死期が迫っていなかったことや2人が主治医ではなかったことなどを挙げ、「安楽死とは考えていない」としている。

これって、ガン患者の末期を想定した4要件。
医師が、癌治療を放棄するときの条件。

確かにALSでは、1,2,3が当てはまらない場合があるでしょう。
でも、世界中どんな名医でも、ALSを治療できる医師はいないでしょう。
進行を遅らせられても、遅らせるだけで、10年、20年かけて、多くの場合は死につながるでしょう。

1,2,3が肉体的な問題ですが、「肉体的な苦痛」を「精神的な苦痛」に読み替えれば同じことだと思います。

京都府警が、「2人が主治医ではなかった」と発表していますが、関係ありませんね。
(1人は医師かどうかあやしいらしいですが)



日本国憲法は幸福を追求する権利を保証しています
>すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

自殺を容認するとまでは言いませんが、現代治療で治る見込みのない病気で、
無意味に長期間生かされるよりは、尊厳死を選びたいということをちゃんと議論すべきじゃないでしょうか。

痴呆症になったら、安楽死させてほしいな。と思うfocusglishtsでした。



こちらにも尊厳死に反対するような記事がありましたが・・・
toyokeizai.net

安楽死を認めよ」と叫ぶ人に知ってほしい難題 | 災害・事件・裁判

今回の安楽死をほう助した医師が主治医じゃないから、
>依頼者の症状などを十分に理解できる立場になかった点
って、安楽死の議論と、担当者の資格を混同させる典型的な詭弁の論法。
東洋経済は何を考えているのでしょうか。
それに、患者さんが主治医にちゃんと相談できなかったほうが問題じゃないかと思うんですがね。