focuslightsの満たされない日々

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忽那先生のオミクロンワクチンの記事にがっかり

※以下の文章は、医療関係の資格を持たない個人の感想ですので、別途、役人や官僚の意向が反映された公的なサイトをご確認ください※


まもなくオミクロン株対応ワクチンが接種可能になるそうです。
で、コロナワクチン関連で科学的な記事を多数公開されている忽那先生の記事が出ていました。
news.yahoo.co.jp

ちょっと量が多いですが、下記に引用します。
注:見出しは当方の勝手な要約です。
(「当初武漢で見つかった「野生株のスパイク蛋白」を設計図に持ったmRNAを元に細胞内でスパイク蛋白を作り出すワクチン」を従来のワクチンと呼称します)


オミクロン株は、野生株から大きく性質が変わっている

そもそもなぜオミクロン株対応ワクチンが開発されたのでしょうか?
それは、オミクロン株が、最初に出現した頃の新型コロナウイルス(野生株)と比べて、スパイク蛋白に非常に多くの変異を持つためです。
スパイク蛋白は、感染力や免疫から逃れる力などに関わっている構造物であり、感染の成立に関わります。
このスパイク蛋白が、野生株とオミクロン株とでは性質が大きく変わっています。

従来のワクチンはオミクロン株に対してうまく対応できない

日本で広く接種されているmRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)は、当初武漢で見つかった「野生株のスパイク蛋白」を設計図に持ったmRNAを元に細胞内でスパイク蛋白を作り出すワクチンです。
したがって、このmRNAワクチンによって作られる免疫は「野生株のスパイク蛋白」に対する免疫ということになります。
オミクロン株のスパイク蛋白は、野生株のスパイク蛋白とは大きく異なっていることから、mRNAワクチンによって得られた免疫はオミクロン株に対してはうまく反応ができません。

オミクロン株対応ワクチンは従来のワクチンに比べて中和抗体産生量が高い

・モデルナのオミクロン株対応ワクチン(野生株/オミクロン株BA.1)は、従来のmRNAワクチンと比較してBA.1やBA.5に対する中和抗体が1.7倍産生された

ファイザーのオミクロン株対応ワクチン(野生株/オミクロン株BA.1)は、従来のmRNAワクチンと比較してBA.1に対する中和抗体が1.56〜1.97倍産生された

オミクロン株対応ワクチンにより、オミクロン株に対する中和抗体の産生量が増えれば、感染予防効果も高くなることが推定されます。

そもそも従来のワクチンではオミクロン株中和抗体は極端に低い

しかし、どれくらいオミクロン株に対する感染予防効果が高くなるのかは現時点では予測は困難です。

このオミクロン株対応ワクチンは、これまでのワクチンと比べてオミクロン株に対する中和抗体がモデルナ社は1.7倍、ファイザー社は1.5-1.9倍増えたとのことですが、そもそも従来のワクチン接種によって産生されるオミクロン株に対する中和抗体は野生株よりも極端に低くなっています。

研究の実験系によりばらつきはありますが、野生株とBA.1の中和抗体の量の差は3倍から10倍の差がついています。

つまり、従来のmRNAワクチンと比べてオミクロン株に対する中和抗体が1.5-1.9倍に増えたとしても、mRNAワクチンが登場したときのような野生株に対する極めて高い感染予防効果を期待することは難しいかもしれません。

結論:とりあえず野生株ワクチンを打てば?

秋までオミクロン株対応ワクチンを待つべきか、待たずに今のワクチンを接種するのか検討することになります。

私の意見としては、現在の高度な流行状況ではひとまず今のワクチンを接種することで感染リスクを低減させ、オミクロン株対応ワクチンのデータが揃うのを待つ、ということで良いのではないかと思います。

特に高齢者や基礎疾患のある方は重症化予防効果を高めることが重要ですので今のワクチンで4回目の接種をすることをご検討ください。



引用が長くなりましたが、まとめると。

①オミクロン株は、野生株から性質が大きく変わっている。
②従来の野生株用ワクチンによって得られた免疫はオミクロン株にうまく反応ができない。
③従来の野生株用ワクチン接種のオミクロン株中和抗体は極端に低い。

科学的な内容はここまで。
で、結論は
>ひとまず今のワクチンを接種することで感染リスクを低減させ、オミクロン株対応ワクチンのデータが揃うのを待つ、ということで良いのではないかと思います。

って、従来のワクチンが効かないということを詳しく説明しておきながら、ひとまず打て。ってどういう結論でしょうか・・・



コロナウイルスのmRNAワクチンって、スパイク蛋白のmRNAを注射して、体の中でスパイク蛋白を産生させて、その抗体を得る方法ですよね。
変異したスパイク蛋白に効くのか?といわれれば、従来株より確実に効果は落ちる。
変異株に対抗するには変異株のスパイク蛋白を体の中で作り出す変異株用ワクチンを打つべき。というのが科学的な回答じゃないですかね。

それが、オミクロン株用ワクチンのデータがそろっていないから、とりあえず従来株用ワクチンを打ちなさい。という論拠がわかりません。

これでは科学者というより、従来株用ワクチンの接種ひかえで、ワクチン在庫の有効期限切れを心配する政治家や役人の発言じゃないですかね?



デルタ株のときもそうでしたが、従来株用に設計されたワクチンが、変異した株に効かなくなるのが当然の理屈。

デルタの時は、ほかに対応法がなかったので、仕方がなかったという事情がありますが・・・
今は、少し待てばオミクロン用ワクチンが登場することが分かっている状況です(10月半ばには登場するとの記事もありますね。追記ー9月中という報道もありました:オミクロン株対応ワクチン、9月中の接種開始を検討 予定前倒し | 毎日新聞

次回のワクチンも、接種時の混雑・混乱を避けるため「前回接種から6カ月間隔」になるんじゃないかと思います。
とすると、今、オミクロンに効かないワクチンを打ったら、次にオミクロン用ワクチンの順番が回ってくるは来年春?

そもそもオミクロンはそれほど重症化しないといわれています。
だとしたら、変異株に対応したワクチンの登場を待つべき。というのが個人的な考えなのですが、忽那先生とは違っていたようです。



ウイルスが変異しているのに従来型ワクチンを打つというのは、インフルエンザの流行株を無視して、昨年のインフルエンザワクチンの在庫を打つようなもの。
在庫を抱えた医療関係者には福音ですが、接種者の利益にはならないんじゃないかなぁとfocuslightsは思いました。


2022/10/5追記:
自分のところにオミクロン対応ワクチンのクーポンが届きました。
最近mRNAワクチンに懐疑的です。どうしようかなぁ。