focuslightsの満たされない日々

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統計データの雑な解釈

少し前に東洋経済の記事でアンケートの解釈が雑だな。というエントリーをかきましたが・・・
今度はPRESIDENT Onlineの記事。

president.jp

1月22日の日本経済新聞の1面に興味深い記事があった。日本の人口あたりのEV普及台数を見ると、地方のほうがはるかに多いという内容である。

最も多いのは岐阜県で、人口1万人あたり34.8台ということだ。東京は15.4台だから、岐阜は東京の2倍以上EVが普及していることになる。現状ではEVはガソリン車に比べかなり高価であり、所得の高い大都市部中心に売れているように思いがちだが、実体は逆なのである。

なぜこのような現象が起こるのか。その大きな要因のひとつが過疎化によるガソリンスタンドの減少らしい。

元記事の日経新聞は有料で見れませんでしたが、記事の内容は・・・
人口一万人当たりのEV普及台数は東京が15.4台で、岐阜は34.8台
岐阜では東京の2倍以上EVが普及している。
過疎化によるガソリンスタンドの減少で、自宅で充電できるEVが売れている。との話。

なんだこれ?

岐阜が過疎化している・・・というのが事実かどうかわかりませんが、これはおいておきます。



EVの普及割合を考えるうえで、そもそも、自家用車が必要かどうかを考慮するのが当然。
都道府県データランキングを見ると・・・
一人当たりの乗用車台数(貨物や乗合を含まず、平成30年3末)
岐阜:0.638台/人
東京:0.229台/人

つまり
岐阜に存在する乗用車のうちEVの割合は34.8/6380=0.54%
東京に存在する乗用車のうちEVの割合は15.4/2290=0.67%
割合はほとんど変わらないか、東京のほうが高いってことですよね。

岐阜は東京に比べて人口当たりのEVは2倍くらいですが、そもそも乗用車は3倍くらい普及している土地柄。

東京では乗用車の需要が少ないからEVの台数も少ないだけで、乗用車全体に占めるEVの割合は東京のほうが高い。
岐阜のほうがEVが普及しているとは、ちょっと言えませんよね。

統計データを解釈するのに、母集団(調査対象の全体、分母)を考えるのは、基礎中の基礎なのに・・・
文系の人はそういうことも学ばずに、社会に出てきてしまうんでしょうか。



岐阜だと、ガソリンスタンドまで距離があるから、自宅で充電できるEVが便利。という主張はわかるのですが、統計データはちゃんと解釈しなきゃね。と思ったfocuslightsでした。