大学の環境って未だに20年前のままなんだ。
togetterに日本と中韓の大学の研究環境の差がまとめられていました。
日本における大学の研究環境は中韓に完全に負けている。中国の大学院では院生が研究に集中できるようにガラス器具や溶媒精製は作業員がやっていた。togetter.com
同じ感覚を、大学から会社に入社した時に感じました。
会社の研究所では、
- 特殊な汚染を除き、ガラス器具は作業員が洗浄
- 溶媒は精製済み品を購入
- 購入可能なものは、ほとんど使い捨て
- ルーチンの実験は、アシスタントに指示して結果待ち
と言った感じ。あまりにも環境が違ってびっくりしました。
空いた時間で、次の実験の計画を練り、プレゼン資料を作成し、特許を書くのが仕事でした。
大学の研究室では実際の実験時間よりも、溶媒の精製やピペット作成のガラス細工に要した時間のほうが長かった気がしますが、バカみたい。
大学院3年間分の研究を、この環境なら半年でできるなぁと思いましたが、いまでも変わっていないのですね。
でも、企業の研究環境が良かったのも10~5年前までの話。
- 消防法が厳しく、実験室に置いておける溶媒量が極端に制限されたり
- 薬事法の改正で、日本だけ規制対象となる試薬が次々と増え
- 税務署の指導で、使いかけの試薬に課税されてしまうため、実験室の試薬を処分せざる得なかったり
いまでは、日本で化学実験をするのは非効率になって、国内研究所(化学)は人員削減し、ほぼ海外委託です。
国によって様々でしょう。LEDでノーベル賞受賞の中村教授は手作業による職人的な作業で発明を成し遂げたと言われています。肉体労働や作業を下に見る国情を感じます。ノーベル賞の受賞数は圧倒的に日本が多い訳です
なんて、したり顔のコメントがありますが...
ノーベル賞って、10-30年前の研究が評価されて受賞するわけで、今の研究環境の差が、将来への投資の差だって理解できない白痴のコメントですね。
そろそろ、日本から脱出したいなぁと思うfocuslightsでした。
そういえば、先日TEDを見ていたら、米国の研究者が「望む遺伝子をノックアウトしたハエを、電話一本で購入できる」って発表されていました。日本の生物系研究室はどうなんでしょう。