focuslightsの満たされない日々

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グラフの書き方で結論は変えられる(東洋経済の印象操作)

東洋経済オンラインに「「人口が減ると経済はマイナス成長」は本当か」という記事がありました。

toyokeizai.net

過去125年間、人口とGDP成長率はほぼ無関係
本の中では、1870(明治3)年から20世紀の終わりまで125年間の人口と実質GDP国内総生産)の推移を比較した図を掲げ、マクロ経済の成長が決して人口によって決まるものではない、ということをビジュアルに訴えた

根拠とされ他グラフがこちら。
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出典:東洋経済オンライン 吉川 洋 : 立正大学経済学部教授
(批判のために必要な最低限の範囲で、著作権法に基づく引用を行っています)

たしかにこのグラフを見ると、人口と実質GDPにはなんの関係もなさそうに見えます。が、本当でしょうか。

このグラフ。1913年(大正2年)を100としたときの相対グラフ。
当時の日本の人口はおよそ5000万人。一方2000年頃の人口は1億2000万人なので、青グラフ(人口)の右端は2.5倍(250%)。確かに誤りのグラフではなさそうです。

でも、大正から昭和にかけて、第二次世界大戦を経て人口は二倍になりました。
一方実質GDPは貨幣価値の変動等もありますので簡単に計算できるものではないので、上記グラフの出典から引用させてもらってグラフを書き直すと・・・

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人口は総務省サイトPDFより
http://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf
実質GDPはこちらのサイトから
明治中期~平成に至る日本の実質GDP推移及び消費者物価指数(インフレ率)/図示 :千葉の空

だいぶ印象が違いますね。

というか、GDPと人口が正の相関にあるのなんて当たり前。
(GDP=民需+政府支出+貿易収支≒人口x一人あたりの消費)
なのに、それを否定するとは。

ま、大学教授なんて、通説を否定しないと生きて行けないので、印象操作でも何でもやりますよね。

>先進国の経済成長にとっていちばん重要なのは、やはりイノベーションなのである。
イノベーションが大事なのは当然ですが・・・
掛け算の片方しか見ないなんて近視眼的すぎだろ。と思うfocusightsでした。