focuslightsの満たされない日々

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無難に部分最適化に徹したほうが出世できるよね。

先日TEDを見ていたら、興味深い講演がありました。
 講演自体は、ニューヨーク市保健局長(Mary Bassett)の、「もっとマイノリティを優遇しなさい」という、エゴっぽい内容だったのですが、そこで引用されていたアナン元国連事務総長のコメントが心に残りました。
www.ted.com

 元国連事務総長コフィ・アナン氏は素直に、自身の失策がルワンダをが虐殺へと向かわせたと語りました。
 虐殺が起きた1994年 彼は国連PKO事務総長でした。
 虐殺10年目の追悼式にて 当時を振り返り、「当時は最善を尽くしていると確信していたが、虐殺が起こって気づきました。もっとできるべきことも、やるべきこともあったのだ。警鐘を鳴らし協力を得るためにすることがあったのだと気づいたのです」
医者が社会正義を求めるべき理由(TED)

 ルワンダ大虐殺は、1994年にルワンダ大統領が暗殺された後、フツ(ルワンダの最大民族)系政府がツチ民族とフツ民族穏健派を虐殺した事件。正確な犠牲者数は不明だが、50~100万人程度が殺害されたとしています。
その際国連は、同時期に発生していたボスニア紛争に注力し、ルワンダ内戦はほぼ放置。これが、虐殺被害が大きくなった一因とされています。

 で、先のアナン元事務総長の発言。
 当時は最善を尽くすどころか米・欧の指示にしたがって、ヨーロッパを優先し、アフリカを見捨てたのも同然。でもそれはPKO事務総長の責任ではなく、常任理事国の意向
 アナン氏はルワンダ大虐殺の責任を取ることも無く、その後国連事務総長まで登りつめています。

 今の潘国連事務総長も米国が扱いやすい人物を選んだ結果だそうですし、結局、最善を尽くそうと仕組みを変えようとする人よりも、仕組みに乗っかって無難に部分最適化に徹した人のほうが偉くなれるというお話でした。

長いものに巻かれるって重要だよねと改めておもったfocuslightsでした。